本日もご訪問ありがとうございます、いぶきです。
朝から晴天に恵まれた指宿。選別日和の今日は、いぶきヒレ長たちの大小選別を行いました。
将来性がものすごい個体もちらほら。全体的にいいメダカが出てきています。
ただ、本題は選別ではなく、『メダカの繁殖と遺伝とうんぬんかんぬん』の第三回目(大小選別のあれこれはまた明日にでもお知らせしますので、少々お待ちください)。
昨日、予告していました通り、今日は顕性と潜性をさらに掘り下げます。
顕性の特徴をもつメダカと潜性の特性をもつメダカを交配した場合は、昨日お話しした通りです。
では、顕性どうし・潜性どうしを交配した場合にはどうなるのでしょうか。※親は別の品種どうしを交配するものとします。
答えは・・・
①それぞれの中間のような表現をもった個体が出てくる
②どちらかの親に偏った表現の個体が出てくる
③それぞれの親に近い表現をもった個体と、中間のような表現をもった個体が出てくる
だいたい、この3パターンになります(もちろん例外はあります)。
顕性どうし、潜性どうしの交配であっても、それぞれの遺伝情報の中にランク付けがあるため、どちらかに偏ったり、中間のような表現になったりするわけです。
それでは、具体例を挙げてご説明します。
例えば、ヒメダカと白メダカを交配したとします。ヒメダカと白メダカは、原種のメダカに対して潜性の遺伝情報を持っているメダカです。
この場合、子の代では、ヒメダカと白メダカ、そして中間のような表現をもったクリーム色のようなメダカが誕生します。上の例でいうと、③のパターンです。
次に別の例を。
ヒメダカとアルビノメダカを交配したとします。ヒメダカもアルビノメダカも原種のメダカに対して潜性の遺伝情報をもっています。
この場合、子の代では、理論上、アルビノは100%誕生しません。それは、潜性どうしでも、アルビノという遺伝情報がより下位に位置するためなのです。上の例でいうとパターン②です。
最後に、私が実際に経験した例を。
スワローと松井ヒレ長を交配したことがあります。ヒレ長という遺伝情報は、普通体型に対して潜性の遺伝情報ですね(昨日のおさらい)。子の代では、パターン③のような遺伝が見られました。
この他にもまだまだ沢山の遺伝のしかたがあるわけです。その数は、親の交配パターンの数だけと言っても過言ではありません。
そのような天文学的数字の中で、ある程度当たりをつけ、親を選んで、良いメダカを作る。これこそがメダカの醍醐味なのかも知れません。
素晴らしいメダカを作られている方々の多くは、この辺りを感覚的に理解されて生産されているんだろうなあと思います。
さて、次回第四回目は、今日の内容をちょっと学問的に、専門用語を交えながらお話ししようと思います。顕性と潜性は、第五回か第六回で終了予定です。
明日は、いぶきヒレ長の大小選別についてです!それではまた明日!!