本日もご訪問ありがとうございます、いぶきです。
明日から天気が下り坂に向かう予報の指宿、朝から高温多湿な一日でした。
さて、しばらく時間が空いてしまいましたが、『メダカの繁殖と遺伝とうんぬんかんぬん』の第四回目です。
前回は、顕性と潜性の繁殖・遺伝パターンについてお話ししました。
今回は、顕性と潜性が表現型として現れる場合、どのようなシステムのもとで、それが起こっているのか、それについてお話ししたいと思います。専門用語がちらほら出てきます。
一般的に遺伝学では、顕性と潜性の遺伝情報をAとaというアルファベットで表すことが多いです。先にお話しした通り、遺伝というのは2つの遺伝情報が組み合わさることで、成り立っています。
では、Aとaという遺伝情報があった場合、2つが合わさったときの組み合わせはどうなるでしょうか。
①AA ②Aa ③aA ④aa
この4つが出てきます。
これら4つの中で、①~③は、顕性の遺伝情報が表現型として現れる組み合わせ(Aという顕性の遺伝情報が含まれるため)、④のみが潜性の遺伝情報が表現型として現れる組み合わせです。
このように、メダカ(生物)は、Aとaという遺伝情報の組み合わせによって、顕性と潜性が決まるのです。
ここまで大丈夫でしょうか !?
では、次に、AA・Aa・aA・aaの4つ遺伝情報をもった個体どうしが交配した場合、どのような遺伝情報が子の代に引き継がれるのかを見ていきましょう。
・AAとAAの場合
遺伝が起こる際には、どちらか一方の遺伝情報を引き継ぐことになります。高校数学の組み合わせのような問題になってしまいますね。
わかりやすいようにA1A2として組み合わせパターンをみてみましょう。
出てくる遺伝情報は全てAAになりますので、子の代では全て顕性の子が出てきます。
・aaとaaの場合
出てくる遺伝情報は全てaaになりますので、子の代では全て潜性の子が出てきます。
・AaとAaの場合 ※ここが一番重要!!
出てくる遺伝情報は(上の写真を参考に図を描いてやってみてください)、AA、Aa、Aa、aa の4通りの組み合わせになります。
上記2つの遺伝とは毛色が異なることにお気付きでしょうか??
親の遺伝情報はAaどうしなので、顕性の表現をもっている親個体です。
ただ、その遺伝情報がAAではなく、Aaという遺伝情報の片方に潜性の情報を持っている親どうしを交配した場合には、子の代で潜性の遺伝情報が顔を出すわけです。
この部分、しっかりと覚えておいてもらえると色々役立つと思います!
では、AAとaaを交配した場合はどうでしょう。
子の代の遺伝情報は、全てAaとなります。つまり、子の代では潜性の表現型は出てこないということですね。
では、子の代で出てきたAaという遺伝情報をもつ親どうしを交配したら・・・
結果はもうお分かりですよね。孫の代にはaaという遺伝情報を持つ個体が誕生するので、潜性の表現を持つメダカが生まれてくるわけです。
Aaとaaを交配した場合もやっておきましょう。
子の代では、Aaとaaの遺伝情報を持った個体が誕生します。AAとaaの交配パターンとの違いは、子の代で既にaaの潜性の特徴をもつ個体が現れることです。
長くなってしまいましたが、今日のまとめです。
・遺伝情報にはAとaという便宜的に2つに大別される情報がある。
・それらの組み合わせによって、表現が決定される。
・その組み合わせにはAA・Aa・aA・aaがある。
・これら4つがさらにMIXされて、次世代の遺伝情報が決定される。
ちなみに、AAとaaをホモ、Aaをヘテロと呼びます。
リアルロングフィンの販売時に出てくる、あのヘテロです。
次回はリアルロングフィンのヘテロについて、第4回の内容を使いながら詳しく説明していきます。長い長い前置きでしたね。
それでは次回をお楽しみに!!